第1章 商品(教科書 p.22〜34)

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何を学ぶ?① 売った瞬間に、なぜ利益が分かる?教科書 第1節・p22〜24
ゴール:売った瞬間に商品原価を振り替え、決算整理なしで売上原価を把握できること。
3級で習った三分法は、決算のときまで「いくら儲かったか」が分かりません。仕入れたものは「仕入」勘定にまとめて入れ、 売上原価は決算整理ではじめて計算するからです。
この節の売上原価対立法は、売った瞬間にその商品の原価を振り替える方法です。だから決算整理をしなくても、 商品勘定はいつでも在庫、売上原価勘定はいつでも売上原価を表しています。
基礎チェック ─ この節のねらい教科書 p22〜23
Q. 売上原価対立法で、売上原価が分かるのはいつ?
売った時点。売るたびに「売上原価/商品」と振り替えるので、決算整理をしなくても残高が正しくなります。
このタブの内容商品・売上原価・売上はどこ?
B/S 貸借対照表 【資産】【負債】 流動資産(商品流動負債 固定資産固定負債 P/L 損益計算書 【費用】【収益】 売上原価・販管費売上

売った瞬間に、B/Sの商品が減って、P/Lの売上原価が増えます。売れ残りだけがB/Sに残ります。

よくある誤解

記帳の方法が違えば、
もうけの金額も変わる。

三分法 → 利益は◯◯円
売上原価対立法 → 利益は別の金額

どちらが正しいのか分からなくなる

正しい理解

どちらの方法でも
利益は同じ

違うのは
・使う勘定科目
・売上原価が分かるタイミング
・決算整理が要るかどうか

同じ取引を、別の書き方で記録しているだけ

基礎チェック ─ 誤解の正体教科書 p22
Q. 同じ取引を三分法で記帳した場合と売上原価対立法で記帳した場合、当期の利益は?
同じ。どちらで書いても、売った値段と買った値段そのものは変わらないからです。記帳方法は仕訳の書き方の違いにすぎません。変わるのは勘定科目と、売上原価が分かるタイミングです。
記帳方法:仕訳の方法のこと。1つの取引に複数の書き方が認められていることがある。
三分法:仕入れたものを「仕入」に入れておき、売上原価は決算でまとめて出す書き方。通常、試験で出題されるのはこちら。
売上原価対立法:仕入れたものを「商品」として持ち、売れたぶんだけ「売上原価」へ移していく書き方。
勘定科目 ─ 商品(資産):会社がその時点で保有する商品。
勘定科目 ─ 売上原価(費用):売上原価を示す費用の勘定科目。
基礎チェック ─ 用語の識別教科書 p22〜23
Q. 仕入れたときに「商品」勘定(資産)を計上するのは、三分法と売上原価対立法のどちら?
売上原価対立法。三分法は仕入時に「仕入」勘定(費用)を使います。売上原価対立法は商品という資産を取得したと考えます。
Q. 売上原価対立法では、売上原価を求めるための決算整理仕訳は必要?
不要。売るたびに原価を振り替えているので、期末時点で「商品」勘定=在庫、「売上原価」勘定=売上原価になっています。
同じ1つの取引が、2通りの書き方に分かれる (教科書 p22 に対応)
起きた取引は1つ 商品を仕入れ、代金は現金で払った 書き方は選べる この章で学ぶ 売上原価対立法 (借)商 品 ×× (貸)現 金 ×× 商品という「資産」を持った、と見る 3級で習った 三分法 (借)仕 入 ×× (貸)現 金 ×× 仕入という「費用」が出た、と見る 貸方は同じ。ちがうのは借方の勘定だけ 払った現金は同じ。どちらで書いても、最後の利益も同じ
三分法だと、こう書く (教科書 p22 に対応)
仕入時(借)仕 入〔費用+〕××× /(貸)現金など ×××
売上時(借)現金など ××× /(貸)売 上〔収益+〕×××
決算整理(借)仕 入〔費用+〕××× /(貸)繰越商品〔資産−〕×××
※1 期首商品棚卸高
(借)繰越商品〔資産+〕××× /(貸)仕 入〔費用−〕×××
※2 期末商品棚卸高

三分法は「仕入」「売上」「繰越商品」の3つの勘定科目を使う方法。試験では、特に指示のない限り三分法で仕訳を行います。

2つの記帳方法の違い(まとめ)
記帳方法仕入時売上時決算整理
三分法仕 入 ×× / 現金など ××現金など ×× / 売 上 ××必要
売上原価対立法商 品 ×× / 現金など ××現金など ×× / 売 上 ××
売上原価 ×× / 商 品 ××
不要

同じ商品売買でも、仕入時の勘定売上時の仕訳の本数が違います。売上の仕訳(現金など/売上)は両方に共通です。

基礎チェック ─ 2つの記帳方法の対比教科書 p22〜23
Q. 三分法と売上原価対立法で、仕訳がまったく同じになるのはどの場面?
売上の仕訳。仕入は「仕入」か「商品」かで分かれ、売上原価対立法だけ原価の振替がもう1本増えます。
② 図解 ─ 1,600円で仕入れた商品が、どこへ行くか
取引の流れ ─ 振り替えが起きるのは②
① @400円で4個仕入れる
現金1,600円を払って、商品を手に入れた。まだ売っていない。
商品
1,600
② そのうち3個を2,100円で売る
売上2,100を計上し、売れた3個ぶんの原価1,200を商品から売上原価へ移す。
売れた分だけ、原価を移す
売上
2,100
売上原価
1,200
③ 決算をむかえる
商品勘定の残高400が、そのまま期末在庫(1個ぶん)。
決算整理は不要

②で売れた分だけ先に移しておくから、③で何もしなくても残高が正しくなります。

基礎チェック ─ 場面の理解教科書 p23〜24
Q. @400円で4個仕入れ、うち3個を売った。売上原価に振り替える金額は?
1,200。移すのは売れた分の原価だけ。売れ残った1個ぶん400は「商品」勘定に残ります。

仕入れた1,600円が、2つに分かれる

仕入れた商品 1,600(@400×4個)
▼  売れた3個ぶんを売上原価へ移す  ▼
売上原価 1,200(3個)
商品 300
売上原価(費用)= 売れた分 商品(資産)= 売れ残り=期末在庫

商品勘定の残高=期末在庫売上原価勘定の残高=売上原価。期中の仕訳だけで、財務諸表に載る金額になっています。

基礎チェック ─ 図の読み教科書 p24
Q. @400円で4個仕入れ3個を売ったあと、「商品」勘定の残高400が表しているのは?
期末の在庫。売れた分は売上原価へ移してあるので、商品勘定に残るのは在庫だけです。

仕訳は左と右に分けて書きます。左を借方、右を貸方といいます。

③ 仕訳
仕訳例1-1 仕入時(教科書 p23)

商品を@400円で4個仕入れ、現金1,600円を支払った。記帳方法は売上原価対立法による。

借方貸方
商 品〔資産+〕1,600 現 金〔資産−〕1,600

三分法なら「仕入1,600/現金1,600」。売上原価対立法は商品という資産を取得したと考えるので、借方が「商品」です。

基礎チェック ─ 仕訳の読み教科書 p23
Q. 売上原価対立法で商品1,600円を仕入れ、現金を支払った。借方の勘定科目は?
商品。「仕入」を使うのは三分法です。売上原価対立法では、仕入れた時点ではまだ費用にしません
仕訳例1-2 売上時(教科書 p23)

上記の商品のうち3個(仕入原価の合計1,200円)を2,100円で販売し、現金を受け取った。

借方貸方
現 金〔資産+〕2,100 売 上〔収益+〕2,100
売上原価〔費用+〕1,200 商 品〔資産−〕1,200

売上の仕訳は三分法と同じ。2本目の「売上原価/商品」が売上原価対立法だけの仕訳です。

ひと言アドバイス決算のあとに残高を見ると、「商品」は期末在庫、「売上原価」は売上原価そのものになっています。売るたびに振り替えているので、期末にまとめて直す作業が要りません。
基礎チェック ─ 仕訳の形教科書 p23
Q. 売上原価対立法で、原価1,200円の商品を2,100円で売った。必要な仕訳は何本?
2本。「現金2,100/売上2,100」と「売上原価1,200/商品1,200」。原価の振替を忘れるのが
Q. 原価1,200円の商品を2,100円で売った。「売上原価/商品」に書く金額は?
1,200。振り替えるのはその商品を買ったときの値段です。売価2,100は売上の金額です。
2本の仕訳を、勘定へ書き写す (教科書 p24 に対応)
[1-1]仕入1,600 →[1-2]原価1,200が出ていく
商 品(資産)
[1-1]1,600(4個)[1-2]1,200(3個)
残高 400(1個)=期末在庫
商品勘定から振り替わってくる
売上原価(費用)
[1-2]1,200(3個)
残高 1,200(3個)=売上原価

勘定に書き写すのはこの2つです(売上勘定は別)。[1-2]の1,200が商品から売上原価へ移ったことが、矢印なしでも左右の位置で読み取れます。

商品勘定は 1,600−1,200=400(期末在庫)、売上原価勘定は1,200(売上原価)。どちらもそのまま財務諸表に載る金額です。

基礎チェック ─ 転記の確認教科書 p24
Q. 商品勘定に借方1,600・貸方1,200と記入されている。残高はいくらで、何を表す?
400で、期末の在庫。借方(増えた)−貸方(売れて減った)=手元に残っている商品です。
例題1-1(教科書 p24)

⑴ 商品を 30,000円 で仕入れ、代金は掛けとした。
⑵ そのうち原価 18,000円 ぶんを 27,000円 で売り、代金は掛けとした。
いずれも記帳方法は売上原価対立法による。

⑴ 仕入時
商 品30,000 買 掛 金30,000
⑵ 売上時
売 掛 金27,000 売 上27,000
売上原価18,000 商 品18,000

売上総利益=27,000−18,000=9,000。この時点ですでに、もうけが分かります。

この節のまとめ (教科書 p24 に対応)

1.三分法は、売上原価が決まるのが決算のとき。期中は「仕入」に積み上げるだけ。
2.売上原価対立法は、売るたびに原価を移すので、決算で改めて計算しなくてよい。

穴埋め

商品売買の記帳方法(売上原価対立法)

何を学ぶ?① 同じ商品なのに、なぜ単価が1つに決まらない?教科書 第2節・p25〜27
ゴール:総平均法で平均単価を計算し、棚卸高と売上原価を求められること。
同じ商品でも、仕入れる日によって値段は違います。100円で買った分と120円で買った分が混ざったとき、 「売った分の原価はいくらか」を決める必要があります。これが払出単価の決定方法です。
3級では先入先出法(先に仕入れたものから先に売れたと考える)と移動平均法(仕入れるたびに平均単価を計算し直す)を習いました。2級では新たに総平均法を学びます。
基礎チェック ─ この節のねらい教科書 p25
Q. 払出単価の決定方法を決めるのは、何のため?
売った商品の原価を決めるため。売価は会社が自由に決めるもので、この方法とは関係ありません。
このタブの内容平均単価は何を決める?
B/S 貸借対照表 【資産】【負債】 流動資産(商品=月末棚卸高流動負債 固定資産固定負債 P/L 損益計算書 【費用】【収益】 売上原価売上

平均単価を1つ決めると、B/Sの棚卸高とP/Lの売上原価が同時に決まります。単価がずれると両方ずれます。

移動平均法(3級)

仕入れるたびに平均単価を計算し直す。

1/8 仕入 → 平均単価を計算
1/22 仕入 → また計算
売るたびにその時の単価を使う

何度も計算が必要で手間がかかる

総平均法(2級)

一定期間ぶんをまとめて1回で計算する。

月末(または期末)に
(期首の金額+期中の仕入金額)
÷(期首の数量+期中の仕入数量)

計算の回数が1回で済むぶん、手間が軽い

基礎チェック ─ 誤解の正体教科書 p25
Q. 総平均法で、平均単価を計算するのはいつ?
月末に一括して1回。仕入れるたびに計算し直すのは移動平均法です。
総平均法:期間ぶんの金額と数量をまとめて平均し、その1つの単価で払い出したものとして扱う書き方。
合計した金額を、合計した数量で割ると、1個あたりの平均の値段が出ます。
平均単価=(期首の金額+期中の仕入金額)÷(期首の数量+期中の仕入数量)
月の平均単価を出すときは、「期首」を「月初」、「期中」を「当月」と読みかえる。
基礎チェック ─ 計算式教科書 p25
Q. 総平均法の平均単価は、何を何で割る?
期首を含めて割る。期首在庫を計算に入れ忘れるのが、いちばん多い間違いです。
② 図解 ─ 混ざった在庫の単価をならす
取引の流れ ─ 単価が決まるのは③
① 月初に在庫がある
前月から繰り越した50個。@120円で買ったもの。
50個
6,000
② 値段の違う商品を仕入れる
@140円で150個、@150円で200個。倉庫の中でどれがどの値段か分からなくなります
どれがどの単価か分からない…
150個
21,000
200個
30,000
③ 月末に平均単価を出す
全部まとめて 57,000 ÷ 400個。この1つの単価で払い出す
@142.5円

③まで単価が決まらないので、月の途中は数量だけを追いかけます。

1月の平均単価を出してみる(教科書 p25 の例)

1月の平均単価:6,000円 + 21,000円 + 30,000円50個 + 150個 + 200個@142.5円

1月に売った分は、何個売れていても、すべて@142.5円で払い出したものとして計算します。

ひと言アドバイス3級の移動平均法は仕入のたびに単価を出し直しました。総平均法は月末に1回だけで済みます。
基礎チェック ─ 図の読み教科書 p25
Q. 月初50個6,000円、当月仕入が150個21,000円と200個30,000円。総平均法の平均単価は?
@142.5円。誤答は月初の50個6,000円を入れ忘れた計算です。分子・分母のどちらにも期首を入れます。
Q. 総平均法で当月の平均単価が@142.5円と出た。当月に売った分の払出単価は?
すべて@142.5円。売った順番や日付に関係なく、期間の平均単価1つで払い出します。
補足 総平均法の商品有高帳(教科書 p27)

総平均法では、月末になるまで平均単価が分かりません。そのため、払出欄と残高欄には数量だけを記入し、 単価と金額は月末に平均単価が出てから記入します。

基礎チェック ─ 商品有高帳教科書 p27
Q. 総平均法の商品有高帳で、月の途中の払出欄・残高欄に記入できるのは?
数量だけ。平均単価は月末にならないと分かりません。移動平均法との大きな違いです。

月の途中は数量しか書けません(「─」の欄)。単価が決まるのは月末だからです。 単価と金額が入るのは、月末に平均単価が判明したあとの5/31「次月繰越」の行だけです。
払出欄の金額合計84,600は、受入欄の金額合計84,600からもってきます。

基礎チェック ─ 商品有高帳の読み教科書 p27
Q. 総平均法の商品有高帳で、払出欄の金額合計84,600は何と一致する?
受入欄の合計。払出欄は「売れた分56,400+次月繰越28,200」で、受入れた金額の全部が行き先を持ちます。
Q. 商品有高帳の「次月繰越」100個・28,200円は、財務諸表では何になる?
B/Sの商品。売れた分(56,400)が売上原価、残った分(28,200)がB/Sに載ります。
整理 ─ 表でたしかめる
日付摘要個数単価金額
1/1前月繰越50個120円6,000円
1/8仕入150個140円21,000円
1/22仕入200個150円30,000円
例題1-2 の商品有高帳(総平均法)
日付摘要受入欄払出欄残高欄
数量単価金額数量単価金額数量単価金額
5/1前月繰越8025020,0008025020,000
5/10仕入12028033,600200
5/12売上14060
5/22仕入10031031,000160
5/28売上60100
5/31次月繰越10028228,200
合計30084,60030084,600
④ 計算
例題1-2(教科書 p26)

5月の商品Zの売買状況。払出単価は総平均法による。月末商品棚卸高と売上総利益を求める。

日付摘要個数単価金額
5/1前月繰越80個@250円20,000円
5/10仕入120個@280円33,600円
5/12売上140個@550円(売価)77,000円
5/22仕入100個@310円31,000円
5/28売上60個@550円(売価)33,000円

平均単価=(20,000+33,600+31,000) ÷ (80+120+100)=84,600 ÷ 300個=@282円
月末数量=80+120−140+100−60=100個
月末商品棚卸高=282 × 100=28,200円
売上高=77,000+33,000=110,000 / 売上原価=282 × (140+60)=56,400円
売上総利益=110,000 − 56,400=53,600円

この節のまとめ (教科書 p27 に対応)

1.払出単価の決め方は3つ。先入先出法・移動平均法(3級)と、総平均法(2級)。
2.総平均法は、月末に1回だけ単価を出し、その月に売った分すべてに同じ単価を使う。

実践チェック
実践チェック ─ 売上原価対立法教科書 p22〜24
Q1. 売上原価対立法を採用している。決算で「仕入/繰越商品」「繰越商品/仕入」の振替は必要?
不要。この振替は三分法で売上原価を計算するための手続きです。売上原価対立法は期中に原価を振り替え済みなので行いません。
Q2. 原価18,000円の商品を27,000円で販売した。売上総利益はいくら?
8,000。売上20,000 − 売上原価12,000。売上原価対立法では、この計算が販売のたびにできます。
Q3. 期中に商品を22,000円仕入れ、原価12,000円ぶんを販売した(期首在庫なし)。期末の「商品」勘定の残高は?
10,000。22,000−12,000。売れた分は売上原価へ移っているので、残るのは在庫だけです。
実践チェック
実践チェック ─ 総平均法教科書 p25〜27
Q1. 月初80個、当月仕入120個と100個、当月売上140個と60個。月末の数量は?
100個。80+120+100−140−60=100。数量は個数だけで追えます。
Q2. 総平均法の平均単価が@282円、月末数量が100個。月末商品棚卸高は?
28,200円。282×70。誤答は売価@550で計算したものです。棚卸高は必ず原価で計算します。
Q3. 売上高110,000円、売れた数量200個、平均単価@282円。売上総利益は?
53,600円。売上原価=282×200=56,400。110,000−56,400=53,600。
穴埋め

払出単価の決定方法(総平均法)

何を学ぶ?① 帳簿に1,000円と書いてあるのに、なぜ1,000円で載せない?教科書 第3節1〜2⑴・p28〜31
ゴール帳簿棚卸高実地棚卸高の違いを理解し、B/S計上額を求められること。

仕訳は左(借方)と右(貸方)に分けて書きます。

帳簿には「@200円が5個で1,000円」と書いてあります。ところが倉庫に行くと4個しかない、実際に売れそうな値段(正味売却価額)は@180円だった、ということが起こります。
帳簿の金額は「記録上の金額」にすぎません。そこで決算で、①売上原価を計算し、②数量の減り、③値段の下がりを反映させて、 貸借対照表に載せる商品の金額を決めます。これが商品の評価で、この章の最重要論点です。
基礎チェック ─ この節のねらい教科書 p28
Q. 「資産の評価」とは何を決めること?
貸借対照表計上額を決めること。この節では「商品をいくらでB/Sに載せるか」を決めます。
このタブの内容繰越商品と仕入はどこ?
B/S 貸借対照表 【資産】【負債】 流動資産(商品=繰越商品流動負債 固定資産固定負債 P/L 損益計算書 【費用】【収益】 売上原価(仕入勘定で計算)売上

決算整理では、繰越商品(B/S)と仕入(P/L)の間で金額を行き来させます。両方を同時に正しくするのが目的です。

よくある誤解

帳簿に1,000円と書いてあるのだから、
B/Sも1,000円。

帳簿:@200円 × 5個 = 1,000
B/S:商品 1,000

なくなった分・値下がりした分が資産に残ってしまう

正しい理解

帳簿の金額は記録上の金額
実際の数量と値段に直す。

実地は4個しかない → 200を減らす
実際は@180円でしか売れない → 80を減らす
B/S:商品 720

減った分は費用(棚卸減耗損・商品評価損)になる

基礎チェック ─ 誤解の正体教科書 p28〜29
Q. 帳簿では@200円×5個=1,000円だが、実際は4個しかなく@180円でしか売れない。B/Sの商品はいくら?
720。実際の数量4個 × 実際に売れる単価@180円。数量と単価の両方を実際のものに直します。
資産の評価:その資産をB/Sにいくらで載せるかを決めること。
帳簿棚卸数量:帳簿(商品有高帳)上の在庫数量。
実地棚卸数量:実際に保有している在庫数量。
期末帳簿棚卸高=@取得単価(原価)× 帳簿棚卸数量。いわば「記録上の金額」。
基礎チェック ─ 用語の識別教科書 p28
Q. 倉庫で実際に数えて分かった在庫数量のことを何という?
実地棚卸数量。帳簿棚卸数量は商品有高帳に記録されている数量のほうです。
Q. 期末帳簿棚卸高は、何と何を掛けて計算する?
@取得単価 × 帳簿棚卸数量。誤答のほうは、評価をすべて済ませたあとのB/S計上額の計算です。
式で整理 ─ 期末帳簿棚卸高(教科書 p28 に対応)

期末帳簿棚卸高 = @取得単価 × 帳簿棚卸数量

この金額が、3級では そのまま 商品のB/S計上額 になっていました。

単価も数量も、商品有高帳を見れば書いてあります。つまりこの金額は「帳簿がそうなっている」というだけの数字で、倉庫を見て確かめた金額ではありません。ここが2級で崩れる出発点です。

帳簿の上の在庫を、たて=単価・よこ=数量で見る (教科書 p28 に対応)
帳簿棚卸高 1,000 @200 0 5個 200円の商品が5個 200 1個

期末の在庫は、四角形の面積として見ると、このあとの計算がつかみやすくなります。 縦=単価、横=数量。200円の商品が5個ぶん並んでいる、と考えます。

② 図解 ─ 1,000円の面積が720円になるまで
決算での作業の流れ ─ ズレが見つかるのは②
① 帳簿を見る
商品有高帳には「@200円が5個で1,000円」と書いてある。
帳簿
1,000
② 倉庫を数える(棚卸し)
実際は4個しかない。しかも@180円でしか売れない。
帳簿と合わない…
数量の減り
1個
単価の下がり
10円
③ 帳簿を実物に合わせる
減った分を費用にして、繰越商品を減らす。
B/S 商品 720

②で見つかる2種類のズレが、そのまま棚卸減耗損と商品評価損になります。

決算整理手続きの順番 (教科書 p29 に対応)
① 売上原価の算定
仕入/繰越商品
繰越商品/仕入
② 棚卸減耗損の計上
(数量の減少の反映)
③ 商品評価損の計上
(価格の下落の反映)

このタブで扱うのは①だけです(②③は次のタブ「3節② 減耗損・評価損」で扱います)。3つまとめて「ステップ1・2・3」と呼びます。数量が先、価格が後の順番は変わりません。値下がりの損は実際に残っている数量ぶんだけ計算するので、先に数量を確定させる必要があるからです。

1,000 は、どこへ消えて、いくら残るのか (教科書 p28・p29 に対応)
帳簿棚卸高 1,000 = @200 × 5個 この長方形まるごとが、帳簿の上の在庫です B/Sに残る商品 720 @180 × 4個 商品評価損 80 値下がりした20円 × 残る4個 棚卸減耗損 200 無くなった1個 × @200 @200 @180 0 4個 5個 たて=単価 よこ=数量 (面積=金額)

3つを足すと 720 + 200 + 80 = 1,000。帳簿の1,000を切り分けているだけで、増えも減りもしません。ここが検算になります。

先に右の帯(数量)を切り、残った4個ぶんについて上の帯(単価)を切ります。順番が逆だと、無くなった1個にまで値下がりの損を計算してしまいます。

横が数量、縦が単価。①の長方形(@200×5個=1,000)から、 ②で右側を削り(数量が4個に)、③で上側を削る(単価が@180に)と、残る面積が720になります。
在庫を四角形として見ると、減耗と評価損が「面積を削る」動きとしてつかめます。

ひと言アドバイス在庫は四角形だと思って眺めてみましょう。たてが単価、よこが数量。このあとの計算がぐっと楽になります。
基礎チェック ─ 図の読み教科書 p29
Q. 商品の価値を下げる要因として教科書が挙げているのは?
数量の減少と価格の下落。数量は紛失・盗難、価格は季節外れや旧モデルの在庫処分などが主な原因です。
Q. 帳簿1,000円(@200円×5個)を、実地4個・正味売却価額@180円に直す。先に反映させるのは?
数量が先。数量を4個にしてから単価を下げます。商品評価損は実地数量に対して計算するためです。
整理 ─ 表でたしかめる
表で整理 ─ 商品の価値を下げる2つの事象(教科書 p29 に対応)
事象内容主な原因
数が足りない帳簿棚卸数量 > 実地棚卸数量紛失や盗難
価格の下落買った値段 > いま売れそうな値段季節外れの商品や旧モデルの在庫処分
④ 仕訳 ─ ステップ1:売上原価の算定
仕訳例1-3 売上原価の算定(教科書 p30〜31)

売上原価 = 当期商品仕入高 + 期首商品棚卸高 − 期末商品棚卸高(期末帳簿棚卸高)

決算整理前残高試算表
借方残高勘定科目貸方残高
300繰越商品
2,000仕 入
期末の在庫を数えたところ、次のとおりでした。
  • 期末帳簿棚卸数量:5個
  • 取得単価(原価):@200円

期末帳簿棚卸高=@200円 × 5個 = 1,000

借方貸方
仕 入〔費用+〕300 繰越商品〔資産−〕300
繰越商品〔資産+〕1,000 仕 入〔費用−〕1,000

売上原価 = 当期商品仕入高2,000 + 期首商品棚卸高300 − 期末商品棚卸高1,000 = 1,800
期首は繰越商品から仕入へ、期末は仕入から繰越商品へ振り替えます。3級で学んだ手続きと同じです。

教科書 p31 の勘定図 ─ 金額がどこへ動くか
繰越商品(資産) 期首棚卸高 300 仕入勘定へ 300 期末棚卸高 1,000 次期へ 1,000 B/S 仕 入(費用) 当期仕入高 2,000 繰越商品へ 1,000 期首棚卸高 300 売上原価 1,800 P/L 期首の300は仕入へ 期末の1,000は繰越商品へ

繰越商品の残高1,000がB/Sの商品仕入の残高1,800がP/Lの売上原価になります。 2本の振替は、この2つの残高を同時に正しくするために行います。

基礎チェック ─ 勘定図の読み教科書 p31
Q. 振替後の「仕入」勘定の残高1,800は、財務諸表では何になる?
P/Lの売上原価。B/Sの商品になるのは、繰越商品勘定の残高1,000のほうです。
基礎チェック ─ 仕訳の読み教科書 p30〜31
Q. 期首商品棚卸高300、当期商品仕入高2,000、期末商品棚卸高1,000。売上原価は?
1,800。2,000+300−1,000。期末は引くのがポイントです。
Q. 売上原価を計算するときに使う期末商品棚卸高は、帳簿・実地のどちら?
帳簿棚卸高。減った分・下がった分は、このあとステップ2・3で別の費用として計上します。
実践チェック
実践チェック ─ 商品の評価(総論)教科書 p28〜31
Q1. 帳簿棚卸数量30個、取得単価@400円、実地棚卸数量28個、正味売却価額@380円。期末帳簿棚卸高は?
12,000円。誤答はすべての評価を終えたB/S計上額です。売上原価の計算に使うのは帳簿棚卸高12,000のほう。
Q2. 前T/Bの繰越商品5,000・仕入120,000、期末帳簿棚卸高12,000。売上原価は?
113,000円。120,000+5,000−12,000。前T/Bの繰越商品は期首の在庫であることに注意。
Q3. 決算整理前残高試算表に載っている「繰越商品」は、いつの在庫?
期首の在庫。期中は動かさないため、決算整理前は前期末=当期首の金額のままです。
穴埋め

商品の評価(総論・売上原価の算定)

何を学ぶ?① なくなった分・値下がりした分は、どこへ行く?教科書 第3節2⑵⑶・p31〜34
ゴール:棚卸減耗損と商品評価損を区別して計算し、繰越商品を正しく減らせること。
売上原価を計算しただけでは、帳簿の商品はまだ「@取得単価 × 帳簿数量」のままです。
そこでステップ2で数量の減り(棚卸減耗損)、ステップ3で単価の下がり(商品評価損)を計上し、 そのぶん「繰越商品」勘定を減らします。減らした結果が、B/Sに載る商品の金額です。
基礎チェック ─ この節のねらい教科書 p31〜33
Q. 棚卸減耗損・商品評価損を計上すると、相手勘定(貸方)は何が減る?
繰越商品。商品という資産が減ったことを表すので、貸方は必ず繰越商品です。
このタブの内容2つの損はどこに載る?
B/S 貸借対照表 【資産】【負債】 流動資産(商品=繰越商品流動負債 固定資産固定負債 P/L 損益計算書 【費用】【収益】 棚卸減耗損商品評価損売上

減った分は消えてなくなるのではなく、P/Lの費用になります。だから借方が損、貸方が繰越商品です。

棚卸減耗:帳簿にある数量より、実際の数量が少ないこと。紛失・盗難・数え違いなどで起きる。
勘定科目 ─ 棚卸減耗損(費用):数量が減ったぶんを損として計上するための費用。
正味売却価額:期末在庫がいくらで販売できそうかを見積もった金額。
勘定科目 ─ 商品評価損(費用):売れる値段が原価を下回ったぶんを損として計上するための費用。
基礎チェック ─ 用語の識別教科書 p30・p32
Q. 期末在庫がいくらで販売できそうかを見積もった金額を何という?
正味売却価額。取得原価は「仕入れたときの値段」です。
Q. 「収益性が低下した」とは、どういう状態?
正味売却価額 < 仕入原価。売っても仕入値を回収できない状態なので、資産の金額を下げます。
Q. 取得原価200円、正味売却価額120円の商品。B/Sにはいくらで載せる?
200。原則は取得原価。正味売却価額を使うのは、それが取得原価より下がっている場合だけです(値上がりしても利益は出しません)。
② 図解 ─ 2つの費用の切り出し方
基礎チェック ─ 計算式の使い分け教科書 p31・p33
Q. 取得単価@200円、帳簿5個、実地4個、正味売却価額@180円。棚卸減耗損は?
200。減った1個は取得単価で評価します。正味売却価額は使いません。
Q. 取得単価@200円、帳簿5個、実地4個、正味売却価額@180円。商品評価損は?
80。掛けるのは実地数量。なくなった1個は棚卸減耗損で処理済みなので、二重に数えません。
Q. 取得単価@200円、実地4個、正味売却価額@180円。B/Sに載せる商品の金額は?
720。実際の数量 × 実際に売れる単価。帳簿棚卸高1,000から、減耗200と評価損80を引いた金額と一致します。

斜線の部分:棚卸減耗損 200

横が数量、縦が単価。数量が5個から4個に減ったので、右側の1個ぶん(@200×1個=200)が横に削られます。これが棚卸減耗損です。

評価損を計上する前と後 (教科書 p33 に対応)
<評価損を出す前> <評価損を出した後> 実地棚卸高 800 @200 0 4個 実地棚卸高 720 B/S @200 @180 0 4個

上の細い斜線:商品評価損 80 / 右の斜線:棚卸減耗損 200

単価が@200円から@180円に下がったので、上側の20円ぶんが横に薄く削られます(@20×4個=80)。これが商品評価損です。
残った白い長方形(@180×4個=720)がB/Sに載る商品の金額。720+80+200=1,000。3つを合計すると、はじめの帳簿棚卸高とちょうど同じ金額になります。

基礎チェック ─ 教科書の図の読み教科書 p32〜33
Q. 「単価×数量」の長方形で、右側(横方向)を削った部分が表すのは?
棚卸減耗損。横が数量、縦が単価。数量が減れば横が短くなるので、削れるのは右側です。
Q. 棚卸減耗損200・商品評価損80・B/Sの商品720。この3つを足すといくらになる?
1,000。帳簿棚卸高を3つに分けているだけなので、合計はいつも帳簿棚卸高に戻ります。検算に使えます。

この差の1個(200円)が棚卸減耗です。紛失・盗難などが原因で、帳簿にしか存在しない在庫が生まれます。

基礎チェック ─ 帳簿と倉庫教科書 p31
Q. 商品有高帳では5個、倉庫を数えると4個だった。この1個の差を何という?
棚卸減耗。商品評価損は数量ではなく単価が下がったときの話です。
整理 ─ 表でたしかめる
3つの金額は、足すと必ず元に戻る (教科書 p32 に対応)
金額計算行き先
B/Sに載る商品@180 × 4個 = 720貸借対照表(資産)
棚卸減耗損@200 × 1個 = 200損益計算書(費用)
商品評価損(200 − 180) × 4個 = 80損益計算書(費用)
合計720 + 200 + 80 = 1,000もとの帳簿棚卸高

帳簿の1,000は消えるのではなく、行き先が3つに分かれるだけです。合計が1,000に戻らなければ、どこかで計算を間違えています。

その数字は、どこから持ってきた数字か (教科書 p31 に対応)
数量どこを見た数字かこの例では
帳簿棚卸数量商品有高帳に書いてある数量。仕入と売上を記録した結果5個
実地棚卸数量倉庫へ行って実際に数えた数量4個
差=棚卸減耗記録にはあるのに、現物が無い。紛失・盗難・こわれた など1個

帳簿は「あるはず」を、実地は「実際にある」を表します。2級は、この2つがずれる前提で決算整理を組み立てます。 金額にすると @200 × 1個 = 200、これが棚卸減耗損です。

@200円 × 5個 = 1,000円 から、2つを切り出す

計算式金額
棚卸減耗損@取得単価200 ×(帳簿5個 − 実地4個)200
商品評価損(@取得単価200 − @正味売却価額180)× 実地4個80
B/Sの商品@正味売却価額180 × 実地4個720

棚卸減耗損は「数が減ったぶん」、商品評価損は「値段が下がったぶん」です。計算では、棚卸減耗損は「取得単価」を使い、商品評価損は「実地数量」を掛けるのがポイント。 ここを取り違えると、2つとも金額がずれます。200+80+720=1,000。3つを合計すると、はじめの帳簿棚卸高とちょうど同じ金額になります。

④ 仕訳 ─ ステップ2・3
仕訳例1-4 棚卸減耗損の計上(教科書 p31)

期末商品は帳簿棚卸数量5個(取得単価@200円)だが、実地棚卸数量は4個であった。

借方貸方
棚卸減耗損〔費用+〕200 繰越商品〔資産−〕200

棚卸減耗損 = @取得単価 ×(帳簿棚卸数量 − 実地棚卸数量)

棚卸減耗損 = @取得単価200 ×(帳簿5個 − 実地4個)= 200

仕訳例1-5 評価損を計上する(1-4のつづき・教科書 p33 に対応)

実地棚卸数量4個(取得単価は@200円)の正味売却価額は@180円であった。

借方貸方
商品評価損〔費用+〕80 繰越商品〔資産−〕80

商品評価損 =(@取得単価 − @正味売却価額)× 実地棚卸数量

商品評価損 =(@取得単価200 − @正味売却価額180)× 実地数量4個 = 80

基礎チェック ─ 仕訳の読み教科書 p31・p33
Q. 棚卸減耗損200を計上する仕訳の貸方は?
繰越商品200。資産が減ったので貸方は繰越商品です。
Q. 棚卸減耗損と商品評価損は、どちらを先に計算する?
棚卸減耗損が先。先に数量を実地に合わせてから、その実地数量に対して評価損を計算します。
繰越商品の勘定で、決算整理の全体を見ると
残高720=B/Sの商品
繰越商品
1,000200
80
数量の減り
棚卸減耗損
200
単価の下がり
商品評価損
80

繰越商品は 1,000 − 200 − 80 = 720。これが貸借対照表に載る商品の金額です。

基礎チェック ─ 転記の確認教科書 p33
Q. 繰越商品の借方1,000、貸方に200と80。残高はいくらで、何を表す?
720で、B/S計上額。帳簿棚卸高1,000から、減耗200と評価損80を差し引いた金額です。
例題1-3(教科書 p34)
1. 決算整理前残高試算表
借方残高勘定科目貸方残高
5,000繰越商品
売  上160,000
120,000仕  入
2. 期末商品棚卸高は次のとおりである。
  • 帳簿棚卸高:30個 原価@400円
  • 実地棚卸高:28個 正味売却価額@380円
① 売上原価の算定
仕 入5,000繰越商品5,000
繰越商品12,000仕 入12,000
② 棚卸減耗損
棚卸減耗損800繰越商品800
③ 商品評価損
商品評価損560繰越商品560

期末帳簿棚卸高=@400×30個=12,000/棚卸減耗損=@400×(20−18)=800/ 商品評価損=(500−470)×28個=560
決算整理後:繰越商品 12,000−800−560=10,640/ 仕入(売上原価)120,000+5,000−12,000=113,000

実践チェック
実践チェック ─ 棚卸減耗損・商品評価損教科書 p31〜34
Q1. 帳簿30個・原価@400円、実地28個・正味売却価額@380円。棚卸減耗損は?
800円。@400×(20−18)。誤答は正味売却価額@380で計算したもの。減耗は取得単価で計算します。
Q2. 帳簿30個・原価@400円、実地28個・正味売却価額@380円。商品評価損は?
560円。(500−470)×実地28個。誤答は帳簿30個を掛けたもので、なくなった2個ぶんを二重に数えています。
Q3. 期末帳簿棚卸高12,000円、棚卸減耗損800円、商品評価損560円。B/Sの商品の金額は?
10,640円。12,000−800−560。@380×28個=10,640 と一致します(検算に使えます)。
Q4. 取得原価@400円の商品の正味売却価額が@560円だった。商品評価損は計上する?
計上しない。正味売却価額を使うのは取得原価より下がった場合だけ。値上がりでもうけを出すことはしません。
穴埋め

商品の評価(棚卸減耗損・商品評価損)

仕上げ 問題 ─ 1問1観点で答える

2択ではありません。頭の中で答えを出してから「解説」を押してください。合っていれば「OK」、まだあやふやなら「とじる」を押してください。「とじる」を押した問題は畳まれず残ります。

① 商品売買の記帳方法(売上原価対立法)

教科書 第1節(p22〜24)
Q1仕入時の処理
売上原価対立法で商品を仕入れたとき、借方の勘定科目は?
商品(資産)。三分法の「仕入(費用)」と違い、商品という資産を取得したと考える。
Q2売上時の処理
売上原価対立法で商品を売ったとき、仕訳は何本で、それぞれ何を書く?
2本。①「(借)現金など/(貸)売上」=売価、②「(借)売上原価/(貸)商品」=原価。②の原価の振替を忘れないこと。
教科書 p24 の勘定図
商 品
900(3個)600(2個)
残高300(1個)
振り替わった原価
売上原価
600(2個)
Q3決算整理の要否
売上原価対立法で、売上原価を求める決算整理仕訳が不要なのはなぜ?
期中に売るたび原価を振り替えているため、期末時点で商品勘定=在庫、売上原価勘定=売上原価になっているから。

② 払出単価の決定方法(総平均法)

教科書 第2節(p25〜27)
Q4総平均法の計算式
総平均法の平均単価の式を書ける?
期首の金額 + 期中の仕入金額)÷(期首の数量 + 期中の仕入数量)。期首を入れ忘れない
Q5移動平均法との違い
総平均法と移動平均法は、どこが違う
計算するタイミング。移動平均法は仕入れるたび、総平均法は月末(期末)に一括で1回。総平均法は移動平均法を簡略化したもの。
Q6商品有高帳の書き方
総平均法の商品有高帳で、月の途中は何を記入する
払出欄・残高欄には数量だけ。平均単価は月末にならないと決まらないため、単価と金額は後から記入する。

③ 商品の評価(売上原価の算定)

教科書 第3節1〜2⑴(p28〜31)
Q7帳簿棚卸と実地棚卸
帳簿棚卸数量実地棚卸数量は、それぞれ何の数量
帳簿棚卸数量=商品有高帳に記録されている数量。実地棚卸数量=実際に数えて分かった数量。差が棚卸減耗
Q8売上原価の算定式
売上原価の式と、決算整理仕訳2本を書ける?
売上原価=当期商品仕入高+期首商品棚卸高−期末商品棚卸高。
「(借)仕入/(貸)繰越商品」=期首、「(借)繰越商品/(貸)仕入」=期末。使う期末棚卸高は帳簿の金額。

④ 商品の評価(棚卸減耗損・商品評価損)

教科書 第3節2⑵⑶(p31〜34)
Q9棚卸減耗損の式
棚卸減耗損の計算式と仕訳は?
取得単価 ×(帳簿棚卸数量 − 実地棚卸数量)。「(借)棚卸減耗損/(貸)繰越商品」。
実地 300 減耗 100 @100 3個 ←4個
数量が減る=右が削れる
Q10商品評価損の式
商品評価損の計算式と仕訳は?掛ける数量はどちら?
(@取得単価 − @正味売却価額)× 実地棚卸数量。「(借)商品評価損/(貸)繰越商品」。帳簿数量を掛けると、なくなった分を二重に数えることになる。
評価損30 B/S 270 減耗 100 @100 @90 3個
単価が下がる=上が削れる。掛けるのは残った3個
Q11評価の原則と例外
商品のB/S計上額は、原則いくら?例外はどんなとき?
原則は取得原価。例外は取得原価 > 正味売却価額のとき(収益性が低下したとき)で、正味売却価額で評価する。値上がりしても利益は出さない。
Q12決算整理の3ステップ
商品の決算整理を、3ステップで言える?
① 売上原価の算定
② 棚卸減耗損の計上
(数量の減少の反映)
③ 商品評価損の計上
(価格の下落の反映)
教科書 p29 の「決算整理手続きの順番」。数量が先、価格が後
Q13B/S計上額の検算
B/Sの商品の金額を、2通りで求められる?
①@正味売却価額 × 実地棚卸数量、②期末帳簿棚卸高 − 棚卸減耗損 − 商品評価損。2つが一致すれば計算は正しい
学習の進捗
この表の見かた(押すと開きます)

この章の項目を、状態ごとに数えたものです。タブごとの内訳も出しています。

  • おぼえた… 3回クリアした項目(もう復習に出ません)
  • 復習待ち… クリア済みで、次に出る日を待っている項目
  • 今日出す… 復習の日が来た項目(「復習予定」タブに並びます)
  • 未着手… まだ一度も「OK」を押していない項目

復習の間隔は、右端の「復習予定」タブの ⚙ 設定で変えられます(標準は 3 / 7 / 14日)。