何を学ぶ? ① 同じ株式なのに、なぜ勘定科目が変わる?教科書 第1節1・2・p94〜101
ゴール :4つの保有目的を見分けて、有価証券の勘定科目を判断できること。
証券市場で売り買いされる紙(データ)に値打ちがついたもの、それが
有価証券 です。この2級の範囲でおさえるのは
株式 と
公社債(国債・社債) の2種類です。
有価証券の勘定科目は、
株式か公社債かではなく「保有目的」で決まります 。同じB社株式でも、値上がり益をねらって買ったのか、支配するために買ったのかで、勘定科目も決算の扱いも変わります。
基礎チェック ─ この節のねらい教科書 p101
Q. 有価証券の勘定科目は、何によって決まる?
保有目的
株式か公社債か
保有目的。 「株式か公社債か」ではありません。ここを取り違えると、この章の全部がずれます。
このタブの内容 有価証券はどこに載る?
B/S 貸借対照表
【資産】 【負債】
流動資産(有価証券 ) 流動負債
固定資産(投資有価証券・子会社株式 ) 固定負債
P/L 損益計算書
【費用】 【収益】
有価証券売却損・評価損 受取配当金・有価証券利息
同じ「有価証券」でも、売買目的は流動資産 、満期保有・その他は固定資産(投資有価証券) と、載る場所が変わります。
有価証券 :市場で売買の対象になる証券の総称。この章では株式と公社債(国債・社債)を扱う。
株式 :発行会社に出資した証拠で、持つと株主になれる有価証券。
公社債 :発行元にお金を貸した証拠で、決まった日に返してもらえる有価証券。
償還 :公社債の元本が返ってくること。 満期日 :償還が行われる期日。
クーポン利息 :公社債を持っている間、利払日ごとに受け取れる利息。
② 図解 ─ 株式と公社債は何が違うか
証券市場を介した有価証券の売買 (教科書 p94 に対応)
A社 当社 B社株式 Z社社債 日本国債 証券市場 売買 有価証券
基礎チェック ─ 株式と公社債教科書 p96
Q. 公社債の時価が動く主な要因は?
金利
発行会社の業績
金利。 市場金利が上がると公社債の時価は下がり、下がると時価は上がります(業績で動くのは株式)。
額面より安く買った社債が満期に額面で戻る(金利調整差額) (教科書 p98 に対応)
B社社債 ¥96 B社社債 ¥100 A社 当社 B社 A社 当社 取得日 満期日 ¥96で購入 ¥100で戻ってくる 差額¥4=金利調整差額 ⇒ 持ち続けた人がもらえる取り分
額面より安く買えたなら、満期まで持ち続けるだけでその差の分が丸ごと利益になります 。この差を金利調整差額 と呼びます。
ひと言アドバイス 公社債を持つというのは、要するに相手にお金を貸している状態と同じです。だからこそ期日には返ってくるし、貸している間は利息ももらえるわけです。
③ 整理 ─ 表でたしかめる
株式と公社債の見分け方 (教科書 p96 に対応)
公社債 株式
取得の実質的な意味 貸し付け 出資
元本は戻るか 満期日に戻ってくる(償還) 戻らない
お金を回収する方法 売る、または満期を待つ 売る
持っている間の実り 利息(期間に応じて一定額) 配当金(利益からの分け前)
主な時価の変動要因 金利 会社の業績
特徴 リターンもリスクも小さい リターンもリスクも大きい
株式は出資 だから戻ってきません。公社債はお金を貸している だけなので、満期日には元本が戻ります。この違い1つから、表の他の項目もすべて説明がつきます。
④ 保有目的は4つ
売買目的有価証券 (資産):値動きで儲けるために持つ株式・公社債。
満期保有目的の債券 (資産):満期まで持ち切るつもりで持つ公社債。
子会社株式 (資産):その会社を支配する狙いで持つ株式。
関連会社株式 (資産):その会社に強い影響力を及ぼす狙いで持つ株式。
その他有価証券 (資産):上の4つのどの目的にも当てはまらない株式・公社債。
子会社株式と関連会社株式の見分け方 (教科書 p99・p100 に対応)
<子会社株式>
A社がB社株式を 50%超 持っているケース
A社 当社 B社株式 B社 支配 子会社 子会社株式
<関連会社株式>
A社がB社株式を 20%以上50%以下 持っているケース
A社 当社 B社株式 B社 影響力 関連会社 関連会社株式
持株比率が50%を超えると、その会社は支配 下に入ります。支配される側が子会社 、支配する側が親会社 です。20〜50%の範囲なら経営に強い影響力 を及ぼせる立場になり、その相手が関連会社 です。いずれも、値上がりを見て売るための株式ではありません。
基礎チェック ─ 子会社と関連会社教科書 p99〜100
Q. B社株式の30%を保有している。A社にとってB社株式は?
関連会社株式(20%以上50%以下)
子会社株式(50%超)
関連会社株式。 50%超なら子会社株式(支配)、20%以上50%以下なら関連会社株式(影響力)です。
保有目的ごとに、株式・公社債どちらがあり得るか (教科書 p100 に対応)
公社債 株式
売買目的有価証券 ○ ○
満期保有目的の債券 ○ ×※1
子会社株式・関連会社株式 ×※2 ○
その他有価証券 ○ ○
※1 株式には返してもらう期日がないので、「満期」という発想自体が当てはまりません。
※2 議決権を持たない公社債では、経営を支配・左右する立場になれません。
ひと言アドバイス 売買目的有価証券は株式限定だと思い込みがちですが、それは誤りです。公社債も市場で日々値段が動くので、値上がり狙いで持てば同じ区分に入ります。
保有目的ごとの勘定科目と表示科目の対応 (教科書 p101 に対応)
保有目的 一般的な表示科目 勘定科目
売買目的有価証券 有価証券 売買目的有価証券
満期保有目的の債券 投資有価証券 満期保有目的債券
子会社株式 同左 同左
関連会社株式 同左 同左
その他有価証券 投資有価証券 その他有価証券
⑤ 実践チェック
実践チェック ─ 有価証券の分類教科書 p94〜101
Q1. 満期保有目的債券は、貸借対照表にどの科目で表示する?
投資有価証券
有価証券
投資有価証券。 「有価証券」で表示するのは売買目的 だけです。その他有価証券も投資有価証券です。
Q2. 公社債を子会社株式として保有できる?
できない(議決権がないため)
できる(金額が大きければ支配できる)
できない。 支配は議決権によります。公社債には議決権がありません。
Q3. 額面100円の社債を96円で取得した。この差4円は何?
金利調整差額(満期まで持てば得られる儲け)
手数料(取得原価に含める付随費用)
金利調整差額。 利息の支払額を低くおさえるために、額面より低い金額で発行されることから生じます。
Q4. 売却することを想定していない有価証券はどれ?
子会社株式・関連会社株式
その他有価証券
子会社株式・関連会社株式。 支配や影響力の確保が目的なので、そもそも売る発想がありません。その他有価証券はいずれ手放す前提で持つ 有価証券です。
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リセット
有価証券の種類と、保有目的による分類
発行会社に出資した証拠が 株式 、お金を貸した証拠が 公社債 。
公社債の元本が返ってくることを 償還 、その期日を 満期日 という。
値動きで儲けるために持つものは 売買目的有価証券 (資産)。
満期まで持ち切るつもりの公社債は 満期保有目的の債券 (資産)。
支配が目的で 50%超 持つ株式は 子会社株式 、20%以上50%以下なら 関連会社株式 。
どの目的にも当てはまらないものは その他有価証券 (資産)。
何を学ぶ? ① 手数料はどこへ入れる? 2回に分けて買ったら?教科書 第1節3・p102〜107
ゴール :購入手数料を取得原価に含め、平均原価法で売却原価を計算できること。
有価証券 を買ったときは「
売買目的有価証券 」勘定(資産)などが増えます。証券会社に払う
手数料 がある場合、これは購入のためにかかった
付随費用 にあたるので、
単独の費用にせず取得原価へ足し込みます 。
売ったときはその分だけ勘定を減らし、受け取った金額との差を
売却益・売却損 として処理します。同じ銘柄を何度かに分けて買っていた場合は、
平均原価法 で売った分の原価を求めます。
基礎チェック ─ この節のねらい教科書 p102
Q. 有価証券を買うときに払った証券会社への手数料は?
取得原価に含める
支払手数料(費用)で処理する
取得原価に含める。 買うためにかかった費用は本体の値段に上乗せする、という考え方です。商品や固定資産を買うときと同じ発想です。
有価証券売却益 (収益):売買目的有価証券を、帳簿の値段より高く売れたときに立つ収益。
投資有価証券売却益 (収益):
その他有価証券 版の売却益。呼び方が違うだけで中身は同じ発想。
有価証券売却損 (費用):売買目的有価証券を、帳簿の値段より安くしか売れなかったときの費用。
投資有価証券売却損 (費用):その他有価証券版の売却損。
平均原価法 :同じ銘柄を複数回に分けて買った場合に使う、売った分の単価の出し方。仕組みは商品の移動平均法とそっくり。
② 図解 ─ 取得原価の式
式で整理 ─ 取得原価(教科書 p102 に対応)
取得原価は「払った金額ぜんぶ」── 手数料も原価に入る 買った金額(購入代価)= @単価 × 株数 有価証券の取得原価 手数料などの付随費用 買うためにかかったお金は、まとめて資産の金額にする。 手数料を費用にしない点が、3級で習った商品の仕入とは違うところ。 売ったときの損益は、この取得原価と 売却価額との差で計算する
取得原価 = 購入代価 + 付随費用
※ 株式の購入代価は「1株の値段 × 株数」
公社債 の購入代価は「1口の値段 × 口数」で求める
ひと言アドバイス 公社債は1口あたりの額面が100円と決まっています。だから額面100,000円の社債なら口数は1,000口(100,000÷@100)と逆算できます。
③ 仕訳 ─ 取得と売却
仕訳例5-1 有価証券を買ったとき (教科書 p102 に対応)
当社は、値上がり益をねらってB社株式を1株当たり120円で10株購入し、購入手数料30円を合わせた1,230円を現金で支払った。
売買目的有価証券 〔資産+〕1,230
現 金〔資産−〕 1,230
売買目的有価証券:@120×10株+付随費用30=1,230
仕訳例5-2 有価証券を売ったとき (前の仕訳例の続き・教科書 p103 に対応)
上記のB社株式(取得原価1,230)を、1,300で売却し現金を受け取った。
現 金〔資産+〕 1,300
売買目的有価証券〔資産−〕 1,230
有価証券売却益 〔収益+〕70
売却金額1,300 > 帳簿価額1,230 なので「有価証券売却益」勘定の発生。有価証券売却益:売却金額1,300 − 取得原価1,230 = 70
保有目的で変わる売却損益の勘定科目 (教科書 p103 に対応)
保有目的 損したときの科目(費用) 得したときの科目(収益)
売買目的有価証券 有価証券売却損 有価証券売却益
その他有価証券 投資有価証券売却損 投資有価証券売却益
基礎チェック ─ 売却損益の勘定教科書 p103
Q. その他有価証券を帳簿価額より高く売った。売却益の勘定科目は?
投資有価証券売却益
有価証券売却益
投資有価証券売却益。 売買目的なら「有価証券売却益」。表示科目と同じく、投資 が付くかどうかで見分けます。
④ 2回に分けて買った場合 ─ 平均原価法
仕訳例5-3 平均原価法(教科書 p104 に対応)
B社株式6株を1株180円で売り、代金は現金で受け取った。なお、このB社株式は次のとおり2回に分けて買っており、売った分の原価は平均原価法で計算する。
1回目:30株 @110円 2回目:10株 @150円
現 金〔資産+〕 1,080
売買目的有価証券〔資産−〕 720
有価証券売却益〔収益+〕 360
① 取得原価と株式数の合計:30株×@110=3,300、10株×@150=1,500 → 合計40株=4,800
② 平均単価:取得原価合計4,800 ÷ 株式数合計40株 = @120
③ 売却原価:6株 × 平均単価@120 = 720
基礎チェック ─ 平均原価法教科書 p104
Q. 30株@110と10株@150を取得している。平均単価は?
@120(4,800÷40株)
@130(110と150の平均)
@120。 単価どうしを平均するのではなく、金額の合計 ÷ 株数の合計 で計算します。
例題5-1(教科書 p105 に対応)
⑴ A社株式10株を1株40,000円で買い、手数料8,000円とあわせて現金で支払った。
⑵ A社株式5株を1株48,000円で買い、手数料12,000円とあわせて現金で支払った。
⑶ 保有するA社株式のうち6株を、1株50,000円で売り、代金を現金で受け取った(手数料は無しとする)。なお、売った分の原価は平均原価法で計算する。
表の左(借方)に増える資産、右(貸方)に払った現金を書く。
番号 借方科目 金額 貸方科目 金額
⑴ 売買目的有価証券 408,000 現 金 408,000
⑵ 売買目的有価証券 252,000 現 金 252,000
⑶ 現 金 300,000 売買目的有価証券 264,000
有価証券売却益 36,000
⑴ 10株×@40,000+付随費用8,000=408,000 ⑵ 5株×@48,000+付随費用12,000=252,000
⑶ 平均単価:取得原価合計660,000(=408,000+252,000)÷ 株式数合計15株 = @44,000
売却原価:6株×@44,000=264,000 売却金額:6株×@50,000=300,000
有価証券売却益:300,000 − 264,000 = 36,000
例題5-2(教科書 p106 に対応)
⑴ A社は、B社の社債(額面金額400,000円)を、額面100円につき90円で買い入れ、手数料4,000円とあわせて現金で支払った。
⑵ A社は、持っているB社社債を全部C社へ売った。売値は額面100円につき92円で、代金は現金で受け取った(手数料は無しとする)。
番号 借方科目 金額 貸方科目 金額
⑴ 売買目的有価証券 364,000 現 金 364,000
⑵ 現 金 368,000 売買目的有価証券 364,000
有価証券売却益 4,000
⑴ 購入代価:額面金額400,000 ÷ @100 × @90 = 360,000(取得口数4,000口 )
取得原価:購入代価360,000 + 付随費用4,000 = 364,000
⑵ 現金(売却金額):額面金額400,000 ÷ @100 × @92 = 368,000
有価証券売却益:売却金額368,000 − 売却原価364,000 = 4,000
ここまでの整理 (教科書 p107 に対応)
1.取得原価 = 購入代価 + 付随費用
2.売却損益は「もらった金額」と「帳簿の値段」の差で求める。
3.同じ銘柄を分けて買っていたら、平均原価法で売った分の単価を出す。
⑤ 実践チェック
実践チェック ─ 取得と売却教科書 p102〜107
Q1. 額面金額500,000円の社債を1口94円で購入した。購入代価は?
470,000円(500,000÷@100×@94)
500,000円(額面金額そのまま)
470,000円。 1口当たりの額面は100円なので口数は5,000口。5,000口×@94=470,000です。
Q2. 帳簿価額470,000の社債を465,000で売却した。差額5,000は?
有価証券売却損(費用)
有価証券評価損(費用)
有価証券売却損。 評価損は決算で時価に直したときに使う勘定です。売ったときは売却損。
Q3. 売却時に生じた手数料100円は、どう処理する?
有価証券売却損益と相殺するか、支払手数料で処理する
売却した有価証券の取得原価に含める
売却損益と相殺するか、支払手数料。 取得原価に含めるのは買うとき の手数料だけです。
Q4. 平均原価法を使うのはどんなとき?
同じ銘柄を2回以上にわたって取得したとき
複数の銘柄をまとめて売却したとき
同じ銘柄を2回以上取得したとき。 計算方法は商品の移動平均法と同じです。
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リセット
買ったとき・売ったとき
買ったときの購入手数料は、費用にせず 取得原価に含める 。
売買目的有価証券を帳簿より高く売れたときは 有価証券売却益 (収益)。
安くしか売れなかったときは 有価証券売却損 (費用)。
その他有価証券を売ったときは、呼び名が 投資有価証券 売却益・売却損に変わる。
同じ銘柄を2回に分けて買ったときの単価の出し方は 平均原価法 。
何を学ぶ? ① 配当金と利息で、なぜ勘定が別なのか教科書 第1節4・p108〜110
ゴール :株式の配当金と
公社債 の利息を、正しい勘定科目で仕訳できること。
株式を保有している場合は
配当金 を、公社債を保有している場合は
クーポン利息 を受け取ることができます。
保有しているのが株式か公社債かで、受け取れるものが違います。
受け取ったときは
収益の発生 とします。勘定科目は、配当金なら「受取配当金」、クーポン利息なら「
有価証券 利息」です。
基礎チェック ─ この節のねらい教科書 p109
Q. 公社債のクーポン利息を受け取った。収益の勘定科目は?
有価証券利息
受取利息
有価証券利息。 「受取利息」と混同しがちですが、公社債の利息を受け取ったときは必ず「有価証券利息」勘定 を使います。
受取配当金 (収益):配当金を受け取った場合の収益。
有価証券利息 (収益):クーポン利息を受け取った場合の収益。
配当金領収証 :受け取った配当金と引き換えるための証券。
通貨代用証券 (すぐ換金できるので、簿記では現金として扱う証券。
第3章で説明しています )の1つです。
公社債の利札 :クーポン利息と引き換えるための証券。利払日が来ていれば、これも通貨代用証券として扱う。
② 図解 ─ 配当金領収証は「現金」になる
配当金領収証を銀行で換金する (教科書 p108 に対応)
配当金領収証 ¥100 配当金領収証 ¥100 ¥100 B社 A社 当社 銀行
配当金領収証が届いても、それだけでは現金ではありません。金融機関に持ち込んで換金してはじめて 、実際のお金として受け取れます。
ひと言アドバイス 「株式なら配当金」「公社債ならクーポン利息」。持ち物が違えば受け取るものも違う、とセットで覚えよう。
式で整理 ─ クーポン利息(教科書 p108 に対応)
<利払日が年1回の場合>
クーポン利息 = 額面金額 × 年利率
<利払日が年2回(半年払い)の場合>
クーポン利息 = 額面金額 × 年利率 × 6ヶ月/12ヶ月
計算の基礎になるのは額面金額 です。取得価額(実際に買った金額)ではない 点を取り違えないようにしましょう。
③ 整理 ─ 表でたしかめる
表で整理 ─ 受け取ったものと勘定科目(教科書 p109 に対応)
勘定科目(収益)
配当金 受取配当金
クーポン利息 有価証券利息
この2つに共通するのは、すぐに換金できる紙=通貨代用証券 だということです。だから受け取った時点で、まだ換金していなくても「現金」勘定(資産)の増加 として記帳します。
④ 仕訳 ─ どちらも借方は「現金」
仕訳例5-4 配当金の受取(教科書 p109)
保有するB社株式について、配当金領収証150円が郵送されてきた。
現 金〔資産+〕 150
受取配当金 〔収益+〕150
受け取った配当金領収証は換金前でも通貨代用証券。届いた時点で「現金」の増加として処理する。
仕訳例5-5 クーポン利息の受取(教科書 p110)
X2年9月30日、保有するB社社債の利札150円について、利払日をむかえた。
現 金〔資産+〕 150
有価証券利息 〔収益+〕150
利払日を過ぎた利札も通貨代用証券にあたるため、切り取って換金する前から「現金」の増加として扱ってよい。
基礎チェック ─ 借方の勘定教科書 p109〜110
Q. 配当金領収証100円が送付されてきた。借方は?
現金100(通貨代用証券のため)
未収入金100(まだ換金していないため)
現金100。 配当金領収証は通貨代用証券 (第3章)です。受け取った時点で現金の増加とします。
例題5-3(教科書 p110)
次の2つの取引を仕訳しなさい。
⑴ 保有するA社株式の配当金領収証32,000円が送られてきた。
⑵ 保有するB社社債(額面金額:140,000円、利率:年5%、利払:年2回)の利札につき、利払日をむかえた。
番号 借方科目 金額 貸方科目 金額
⑴ 現 金 32,000 受取配当金 32,000
⑵ 現 金 3,500 有価証券利息 3,500
配当金領収証と、利払日を過ぎた利札はどちらも通貨代用証券にあたるので、換金前の受取時点で「現金」勘定(資産)の増加として処理する。
⑵の金額:額面金額140,000 × 5% × 6ヶ月/12ヶ月 = 3,500(年2回払いなので、1回分は半年ぶん)
ここまでの整理 (教科書 p110 に対応)
1.配当金は「受取配当金」、クーポン利息は「有価証券利息」。受け取るものが変われば、使う勘定科目(どちらも収益)も変わる。
2.配当金領収証・利払日を過ぎた利札は、どちらも換金前から「現金」勘定(資産)の増加として扱える通貨代用証券。
3.クーポン利息の計算に使うのは、取得価額ではなく額面金額。
⑤ 実践チェック
実践チェック ─ 配当金と利息教科書 p108〜110
Q1. 額面10,000円・年利率6%・利払年2回。1回の利息は?
300円(10,000×6%×6/12)
600円(10,000×6%)
300円。 年2回なら1回あたりは半年分です。年利率をそのまま使わないこと。
Q2. クーポン利息は、何に利率を掛けて計算する?
額面金額
取得価額
額面金額。 96円で買った社債でも、利息は額面100円を基礎に計算されます。
Q3. 株式を保有していて受け取れるのは?
配当金(利益からの分配)
クーポン利息(一定額)
配当金。 利益が出なければもらえません。公社債の利息は業績と関係なく一定額です。
Q4. まだ利払日が到来していない利札は、通貨代用証券?
ならない(まだ換金できない)
なる(券面が手元にあるため)
ならない。 通貨代用証券はすぐ換金できる ものです。利払日前の利札はまだ換金できません。
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リセット
配当金と利息の受け取り
株式の配当金を受け取ったときは 受取配当金 (収益)。
公社債のクーポン利息を受け取ったときは 有価証券利息 (収益)。
配当金と引き換える証券が 配当金領収証 。
配当金領収証や利払日の来た利札は、簿記では 現金 として扱う。
何を学ぶ? ① 利払日以外に売買すると、なぜ利息の精算が要る?教科書 第1節5・p111〜117
ゴール :利払日以外の売買で生じる端数利息を、正しく計算・処理できること。
公社債は、利払日の間の好きなタイミングで売買できます。でも利息は
持っていた期間だけ 発生するもの。利払日以外で売買すると、そこにズレが生じます。そのズレを埋めるのが
端数利息 です。買った人が、直前の利払日の翌日から売買日までの分を、現金で売った人に精算します。
基礎チェック ─ この節のねらい教科書 p111
Q. 端数利息とは、どの期間の利息?
直前の利払日の翌日から売買日まで
売買日から次の利払日まで
直前の利払日の翌日から売買日まで。 =売った人が保有していた期間 の利息です。
端数利息 :利払日をまたがずに売買したときに精算する、直前の利払日の翌日〜売買日ぶんの利息。
② 図解 ─ 利札は買った人が全額もらってしまう
なぜ端数利息のやりとりが必要か (教科書 p111〜112 に対応)
B社社債 利札 ¥60 端数利息 ¥20 A社 C社 B社 A社 C社 利払日 6/30 売買日 8/31 利払日 12/31 利札をつけたまま売却 12/31の利息¥60は C社が全額受け取る 売買日に、A社が保有した2ヶ月分を C社からA社に支払う
利札はもの(証券)についてくるので、12/31の利息60円はその時点で持っているC社が丸ごと 受け取ってしまいます。でもA社も6/30〜8/31の2ヶ月ぶんは自分の権利のはず。だから売買日にC社からA社へ、その2ヶ月分20円を渡す ことでつじつまを合わせます。
ひと言アドバイス 受け取った現金の中身は「売却代金」と「端数利息」の2つが混ざっている。まとめて考えず、いったん切り分けよう。
③ 仕訳 ─ 売る側と買う側
仕訳例5-6 端数利息①(売却側)(教科書 p113)
A社は売買目的で保有していたB社社債(取得原価9,800円、額面金額10,000円、クーポン利率年1.2%、利払日は6月末・12月末)を、8月31日にC社へ9,900円で売却した。代金は端数利息とあわせて現金で受け取っている。ここでは利息を月割で計算する。
現 金〔資産+〕 9,920
売買目的有価証券 〔資産−〕 9,800
有価証券売却益 〔収益+〕100
有価証券利息 〔収益+〕20
この仕訳は次の①と②を合算したものです。
① B社社債の売却:(借)現金9,900/(貸)売買目的有価証券 9,800・有価証券売却益100
売却の損益を出すときは裸相場 (端数利息を除いた金額)を使う点に注意。
② 端数利息の受取:(借)現金20/(貸)有価証券利息 20
この20円の内訳は、額面10,000円に年利率1.2%をかけ、7月〜8月の2ヶ月分だけ月割りしたもの。
仕訳例5-7 端数利息の処理(購入側) ─ 仕訳例5-6のC社側の仕訳(教科書 p114)
売買目的有価証券〔資産+〕 9,900
現 金〔資産−〕 9,920
有価証券利息 〔収益−〕20
端数利息を支払った側は、それを費用にはせず、「有価証券利息」(収益)をマイナスする形 で記帳します。こうしておけば、次の利払日に受け取る利息と自動で相殺され、自分が実際に保有していた期間だけの収益 が残ります。
この後、12/31に6ヶ月分の利息60円を受け取れば、C社の有価証券利息の残高は実際の保有期間4ヶ月(9月〜12月)に見合う40円 まで落ち着きます。
基礎チェック ─ 購入側の処理教科書 p114
Q. 購入側が支払った端数利息20円は、どう処理する?
有価証券利息(収益)のマイナス
支払利息(費用)
有価証券利息のマイナス。 次の利払日に受け取る利息と相殺され、自分が保有した期間の分だけ 収益が残ります。
④ 端数利息は日割りが原則
式で整理 ─ 端数利息(教科書 p115 に対応)
端数利息 = 額面金額 × 年利率 × 直前の利払日の翌日から売買日までの日 ÷ 365日
先ほどの仕訳例は月割で簡略化していましたが、本来、利息は1日単位(日割)で計算 するのがルールです。
ひと言アドバイス 日数を数え間違えると答えがズレます。31日ある月とない月(2・4・6・9・11月は30日以下)を、自分の覚え方で必ず整理しておきましょう。
例題5-4(教科書 p115)
D社が以前に額面100円につき96円で取得していたZ社社債(額面金額36,500円)を、X1年9月18日にE社へ額面100円につき98円で売却した。代金は端数利息を含め現金で受け取っている。同社債の条件は、利率:年4%、利払日:6月末と12月末の年2回。1年は365日として計算する。
借方に受け取った現金、貸方に手放した社債と儲けの内訳を並べる。
借方科目 金額 貸方科目 金額
現 金 36,090 売買目的有価証券 35,040
有価証券売却益 730
有価証券利息 320
裸相場(売却価額):額面36,500 ÷ @100 × @98 = 35,770
売買目的有価証券(売却原価):額面36,500 ÷ @100 × @96 = 35,040
有価証券売却益:35,770 − 35,040 = 730
有価証券利息(端数利息):額面36,500×4%×80日 (7.1〜9.18)÷365日 =320
7月31日+8月31日+9月18日=80日
現金(裸相場+端数利息):35,770 + 320 = 36,090
例題5-5(教科書 p117)
⑴ E社はX1年9月18日、Z社社債(額面36,500円)を額面100円あたり98円でD社から買い入れた。代金は端数利息とあわせて現金で払っている。
⑵ X1年12月31日、Z社社債の利払日をむかえた。
番号 借方科目 金額 貸方科目 金額
⑴ 売買目的有価証券 35,770 現 金 36,090
有価証券利息 320
⑵ 現 金 730 有価証券利息 730
⑵の730円:額面36,500×4%×6ヶ月(7月〜12月)÷12ヶ月で算定。
※ 利払日に受け取る利息(利札の額面)は、月割計算で決まります。
結果として、E社の有価証券利息は △320 + 730 = +410 (E社が実際に保有していた9/19〜12/31ぶんの利息)になります。
ここまでの整理 (教科書 p117 に対応)
1.利払日以外に社債を売買したときは、買った側が売った側へ端数利息を支払って精算する。
2.売却側は「社債の売却」と「端数利息の受取」の2つが同時に起きたとみなして処理する。
3.購入側は「社債の購入」と「端数利息の支払」の2つが同時に起きたとみなす。払った端数利息は「有価証券利息」(収益)を減らす形で処理する。
⑤ 実践チェック
実践チェック ─ 端数利息教科書 p111〜117
Q1. 端数利息は、誰が誰に支払う?
購入者が売却者に支払う
売却者が購入者に支払う
購入者が売却者に。 利札は購入者が持つことになり、次の利払日に利息を全額 受け取るからです。
Q2. 端数利息を含む36,090円を受け取った。売却損益はどの金額で計算する?
裸相場35,770円(端数利息を含まない金額)
受取総額36,090円
裸相場35,770円。 端数利息は売却代金ではなく利息 なので、売却損益の計算からは外します。
Q3. 額面36,500円・年4%、7/1〜9/18の80日分の端数利息は?
320円(36,500×4%×80/365)
487円(36,500×4%×2.6/12)
320円。 端数利息は日割計算が原則 です。7月31日+8月31日+9月18日=80日。
Q4. 端数利息320円を払い、利払日に730円受け取った。有価証券利息の残高は?
410円(保有期間に対応する分だけ残る)
1,050円(払った分も収益になる)
410円。 払った端数利息を収益のマイナスにしておくことで、自分が持っていた期間の利息だけ が残ります。
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リセット
利払日以外に売買したとき
直前の利払日の翌日から売買日までの利息を 端数利息 という。
端数利息は、買った側が売った側へ 立て替えて払う 。
売った側は端数利息を 有価証券利息 (収益)に計上する。
買った側は同じ勘定を 減らす (次の利払日に全額もらうため)。
何を学ぶ? ① 決算で時価に直すもの、直さないもの教科書 第2節1・2・p118〜123
ゴール :保有目的ごとに、決算で時価評価するかどうかを判断できること。
有価証券 をB/Sにいくらで載せるかは、
何のために持っているか で変わります。だから決算の処理は、保有目的ごとに4パターンに分かれます。
売買目的有価証券 は
すぐに売って利益を狙う ための有価証券です。「今売ったらいくらか」が知りたい情報なので、決算では
時価に評価し直し ます。
基礎チェック ─ この節のねらい教科書 p118
Q. 決算で時価評価するのは、どの有価証券?
売買目的有価証券とその他有価証券
すべての有価証券
時価評価 :決算日時点の時価に合わせてB/Sの計上額を書き換えること。
② 図解 ─ 保有目的別の一覧
B/S計上額は時価か、そうでないか (教科書 p118 に対応)
時価評価する
売買目的有価証券(毎期末、時価に書き換える) その他有価証券 (同じく時価)
計上額=時価 ⇒ いま売却したときの金額そのもの
時価評価しない
満期保有目的債券(
償却原価 のまま)
子会社株式 (取得原価のまま)
計上額は時価とは無関係 ⇒ 売却額を表す数字ではない
ひと言アドバイス まず「時価評価するか、しないか」で大きく2つに割ってから覚えるとラク。そのあと保有目的4種類それぞれの細かい違いを足していけば整理しやすいよ。
有価証券評価益 (収益):売買目的有価証券の時価評価益。
有価証券評価損 (費用):売買目的有価証券の時価評価損。
時価評価差額は損益になる (教科書 p119 に対応)
帳簿価額 < 時価(値上がり)→ 収益
帳簿価額 > 時価(値下がり)→ 費用
売買目的有価証券はいつでも時価で現金化できる ため、評価差額もその場で損益(収益・費用)として認識します。
③ 整理 ─ 表でたしかめる
表で整理 ─ 保有目的別の評価額と時価評価差額の処理(教科書 p118 に対応)
保有目的 決算時のB/S計上額 差額の行き先
売買目的有価証券 時価 当期の損益
満期保有目的の債券 取得原価か償却原価 −
子会社株式・関連会社株式 取得原価 −
その他有価証券 時価 純資産の部へ直接反映
④ 仕訳 ─ 差額を評価益・評価損に
仕訳例5-8・5-9 売買目的有価証券の決算整理(教科書 p120)
決算整理前残高試算表の売買目的有価証券は4,000 (=帳簿価額)である。
① 値上がり(期末時価4,500)
売買目的有価証券〔資産+〕 500
有価証券評価益 〔収益+〕500
有価証券評価益:時価4,500 − 帳簿価額4,000 = 500
② 値下がり(期末時価3,500)
有価証券評価損 〔費用+〕500
売買目的有価証券〔資産−〕 500
有価証券評価損:時価3,500 − 帳簿価額4,000 = △500
財務諸表はこう変わる (教科書 p120 に対応)
[仕訳例5-8]値上がり
貸借対照表
売買目的有価証券 4,500+500 繰越利益剰余金 → +500
[仕訳例5-9]値下がり
貸借対照表
売買目的有価証券 3,500△500 繰越利益剰余金 → △500
評価差額はP/Lを通って当期純利益を動かし、それがそのままB/Sの純資産(繰越利益剰余金) の増減につながります。
基礎チェック ─ 評価差額の行き先教科書 p120〜121
Q. 売買目的有価証券の時価評価差額は、どこに計上する?
当期の損益計算書(収益または費用)
貸借対照表の純資産の部に直接
当期の損益計算書。 純資産に直接計上するのはその他有価証券 です(このあとのタブ)。
仕訳例5-10 売買目的有価証券で値上がりと値下がりが混在する場合(教科書 p121)
決算整理前残高試算表の売買目的有価証券は1,200。内訳はA社株式・B社株式の2銘柄で、帳簿価額と時価は下表のとおり。
帳簿価額 時 価
A社株式 700円 900円
B社株式 500円 400円
売買目的有価証券〔資産+〕 100
有価証券評価益〔収益+〕 100
銘柄ごとに評価益・評価損が両方出るときは、足し引きした純額 だけを当期の損益に計上します。
有価証券評価益:時価合計1,300 − 帳簿価額合計1,200 = 100
例題5-6(教科書 p122)
決算整理前残高試算表の売買目的有価証券は200,000。売買目的有価証券の期末時価は208,000円である。
値上がりぶんを借方の資産に足し、貸方に評価益を立てる。
借方科目 金額 貸方科目 金額
売買目的有価証券 8,000 有価証券評価益 8,000
決算整理を反映した後のT/B
勘定科目 借方残高 貸方残高
売買目的有価証券 208,000
有価証券評価(益) 8,000
有価証券評価益:時価208,000 − 帳簿価額200,000(前T/B計上額)= 8,000(益)
決算整理後の売買目的有価証券:200,000 + 8,000 = 208,000 (=期末時価)
ここまでの整理 (教科書 p123 に対応)
1.売買目的有価証券は、決算のたびに時価へ評価し直す。
2.そのときの差額は「有価証券評価益」(収益)か「有価証券評価損」(費用)で処理し、当期の損益計算書に反映させる。
⑤ 実践チェック
実践チェック ─ 売買目的の決算教科書 p118〜123
Q1. 帳簿価額200,000、期末時価208,000。B/Sの計上額は?
208,000(時価)
200,000(取得原価)
208,000。 売買目的は時価評価するので、B/S計上額=期末時価になります。
Q2. A社株式は+200、B社株式は△100。損益はどう計上する?
相殺して純額100を評価益とする
評価益200と評価損100を両建てする
相殺して純額。 複数銘柄の評価益・評価損は足し引きし、その純額だけを当期の損益にします。
Q3. 評価益100を計上した。B/Sの純資産はどうなる?
当期純利益が増え、繰越利益剰余金が100増える
変わらない(P/Lだけの話)
100増える。 P/Lの利益はB/Sの純資産につながります。
Q4. 決算で時価評価しないのはどれ?
子会社株式
その他有価証券
子会社株式。 売却を想定していないため、時価情報は不要です。取得原価のままです。
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リセット
決算で時価に直すもの、直さないもの
決算日の時価に合わせて計上額を書き換えることを 時価評価 という。
時価評価するのは 売買目的有価証券 と その他有価証券 。
子会社株式・関連会社株式は 時価評価しない (仕訳なし)。
売買目的の値上がりは 有価証券評価益 、値下がりは 有価証券評価損 。
2銘柄あるときは、銘柄ごとの差額を 合計 して1本にまとめる。
何を学ぶ? ① 時価評価しないのに、なぜ帳簿価額が動く?教科書 第2節3・p124〜127
満期保有目的の債券は
途中で売る予定がなく、満期まで持ち続ける 前提で保有しています。売る気がないなら「いま売ったらいくら」という時価の情報は使いません。
ただし、額面(債券金額)とは違う金額で買った場合、その差が金利の調整分(金利調整差額)であれば、
償却原価法 という別の方法で帳簿価額を動かします。
基礎チェック ─ この節のねらい教科書 p124
Q. 満期保有目的の債券を時価評価しないのはなぜ?
売却することを想定しておらず、時価情報が不要だから
公社債には時価が存在しないから
売却を想定していないから。 公社債 にも時価はありますが、満期まで持つなら「いま売ったらいくら」は関係ありません。
有価証券 利息(収益):
クーポン利息 と償却額を処理する勘定。
償却原価法 :
満期日 に帳簿価額がちょうど額面金額に届くよう、差額を毎期少しずつ帳簿価額へ足していく処理。
償却原価 :この処理を反映したあとの帳簿価額。
② 図解 ─ 帳簿価額が額面に近づいていく
式で整理 ─ 償却額と償却原価(教科書 p124 に対応)
毎期の償却額 =(額面金額 − 取得価額)÷ 償還期間
※ 期の途中で取得したときは、保有月数分だけを月割りで計算する。
償却原価 = 帳簿価額(決算整理前残高)+ 当期の償却額
↳ 満期保有目的債券のB/S計上額 となります。
9,700で取得した社債が3年で10,000になる (教科書 p125 に対応)
帳簿価額 9,700 帳簿価額 9,800 帳簿価額 9,900 帳簿価額 10,000 取得日 満期日 取得価額:9,700 額面金額:10,000 開きは300 差額を3年で均等に配分して加算 ※ 300 ÷ 3年 = 毎期100 償却額 +100 償却額 +100 償却額 +100 = 額面金額 10,000 ※ 償却額を加算した後の帳簿価額を「償却原価」という
取得価額9,700と額面金額10,000の差額300 を償還期間3年で均等割りし、毎期100ずつ 帳簿価額へ足していきます。満期日には帳簿価額と額面金額がぴったり一致します。
ひと言アドバイス 償却原価法のゴールは額面金額へ近づけること。「今売ったらいくら」を計算する時価評価とはそもそも狙いが違う処理だと考えるとまぎれにくいよ。
③ 仕訳 ─ 相手勘定は「有価証券利息」
仕訳例5-11 満期保有目的債券の償却原価法(教科書 p125)
前T/Bの満期保有目的債券は9,700。当期首に取得した債券で、額面10,000円・償還期間3年。決算にあたり定額法 の償却原価法を用いる。
満期保有目的債券〔資産+〕 100
有価証券利息 〔収益+〕100
有価証券利息:(額面金額10,000 − 前T/B 9,700)÷ 3年 = 100
基礎チェック ─ 償却額の相手勘定教科書 p125
Q. 償却額100を計上する。相手勘定(貸方)は?
有価証券利息(収益)
有価証券評価益(収益)
有価証券利息 。金利調整差額は実質的に利息なので、クーポン利息と
同じ勘定 で処理します。
例題5-7(教科書 p126)
X2年3月31日の決算にあたり、決算整理を行う。前T/Bは満期保有目的債券85,000(借方)、有価証券利息4,000(貸方)。
この債券はX1年4月1日に取得(額面100,000円、クーポン利率年4%、利払は年1回・3月末)、満期はX6年3月31日。定額法による償却原価法を適用する。
借方科目 金額 貸方科目 金額
満期保有目的債券 3,000 有価証券利息 3,000
1.償却額の求め方
有価証券利息:(額面100,000 − 取得価額85,000)÷ 償還期間5年 = 3,000
2.決算整理後の残高
満期保有目的債券:85,000 + 償却額3,000 = 88,000
有価証券利息:前T/Bのクーポン利息4,000 + 償却額3,000 = 7,000
3.前T/Bの4,000は、3月末にすでに受け取っていたクーポン利息(額面100,000×4%)
ひと言アドバイス 受け取ったクーポン利息も、償却で増えた分も、勘定は同じ「有価証券利息」にまとめる。そうすることで、この債券が生み出した収益をひとつの科目で把握できるんだ。
ここまでの整理 (教科書 p127 に対応)
1.満期保有目的の債券は時価評価せず、償却原価法で帳簿価額を動かす。B/Sの計上額は、帳簿価額に償却額を足した金額(=償却原価)になる。
2.償却額の相手勘定は「有価証券利息」(収益)。
④ 実践チェック
実践チェック ─ 満期保有目的の債券教科書 p124〜127
Q1. 取得価額85,000、当期の償却額3,000。B/S計上額は?
88,000(償却原価)
期末の時価
88,000。 時価評価しないので、B/S計上額は償却原価 です。
Q2. 額面100,000、取得85,000、償還期間5年。毎期の償却額は?
3,000円(差額15,000÷5年)
15,000円(満期に一括で計上)
3,000円。 差額を償還期間で割り、毎期一定額 を加算します(定額法)。
Q3. 償却原価法を続けると、満期日の帳簿価額はどうなる?
額面金額と一致する
取得価額のまま
額面金額と一致する。 そうなるように毎期一定額を加算するのが償却原価法です。
Q4. 会計期間の途中で取得した場合、償却額はどう計算する?
月割計算をする
1年分を計上する
月割計算。 保有していた期間に対応する分だけを加算します。
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リセット
満期保有目的の債券
満期保有目的の債券は時価評価 しない 。
満期に帳簿価額が額面に届くよう差額を少しずつ足す処理が 償却原価法 。
足した分の相手勘定は 有価証券利息 (収益)。
この処理を反映したあとの帳簿価額を 償却原価 という。
何を学ぶ? ① 時価評価するのに、なぜ損益にしない?教科書 第2節4・5・p128〜132
子会社株式・関連会社株式 は支配や影響力の行使が目的で持つ株式なので、途中で手放す想定がありません。売る予定のない資産の時価を出しても意味がないため、
時価評価 は行いません。帳簿には取得原価のまま計上され続け、
決算整理仕訳も発生しません 。
これに対して
その他有価証券 は、いずれ売却する可能性がある株式なので、売買目的有価証券と同じく
時価評価します 。ただし保有の目的がすぐの売買ではない以上、値動きをそのまま当期の損益に計上するのは実態に合いません。そこで評価差額は損益を経由させず、
純資産の額を直接増減させます 。この処理を
全部純資産直入法 と呼びます。
基礎チェック ─ この節のねらい教科書 p129
Q. その他有価証券の時価評価差額は、どこへ行く?
純資産の部に直接計上する
当期の損益計算書に計上する
純資産の部に直接。 すぐに売却するわけではないので、当期の損益とするのは不適切だからです。
② 子会社株式・関連会社株式は「仕訳なし」
仕訳例5-12 子会社株式の決算整理(教科書 p128)
決算整理前残高試算表上の子会社株式は2,000円。この子会社株式の決算時点の時価は2,150円とする。
子会社株式は時価評価しない。時価が2,150円であっても、帳簿価額2,000円のままです。
ここまでの整理 (教科書 p128 に対応)
1.支配目的で持つ子会社株式・関連会社株式には時価評価を行わない。よって決算整理仕訳自体が発生しない。
③ その他有価証券 ─ 純資産に直接入れる
その他有価証券評価差額金 (純資産):その他有価証券の時価評価差額。
全部純資産直入法 :評価差額を損益に計上せず、純資産の額を直接増減させる処理。
仕訳例5-13・5-14 その他有価証券の決算整理(教科書 p129〜130)
決算整理前残高試算表のその他有価証券は2,000 (B社株式を処理したもの)。
① 値上がり(期末時価2,150)
その他有価証券〔資産+〕 150
その他有価証券評価差額金 〔純資産+〕150
その他有価証券評価差額金の額は、時価2,150から帳簿価額2,000を差し引いた150。
② 値下がり(期末時価1,850)
その他有価証券評価差額金〔純資産−〕 150
その他有価証券〔資産−〕 150
その他有価証券評価差額金の額は、時価1,850から帳簿価額2,000を差し引いた△150。
損益計算書には何も載らない (教科書 p130 に対応)
[仕訳例5-13]値上がり
貸借対照表
その他有価証券 2,150+150 その他有価証券評価差額金 150+150
[仕訳例5-14]値下がり
貸借対照表
その他有価証券 1,850△150 その他有価証券評価差額金 △150
ひと言アドバイス まだ売っていない株の値上がり分を、儲けとして計上してしまっていいのかな。売却して初めて利益が確定するので、この段階では収益にはせず、純資産を直接増やすだけにとどめるんだ。
基礎チェック ─ 値下がりのとき教科書 p130
Q. その他有価証券が2,000から1,850に値下がりした。借方は?
その他有価証券評価差額金150(純資産の減少)
有価証券評価損150(費用の発生)
その他有価証券評価差額金。 値下がりでも費用は計上しません 。純資産を直接減らします。
例題5-8(教科書 p131)
決算整理前残高試算表上のその他有価証券は200,000円。決算時点の時価は206,000円とする。
値上がりぶんを借方の資産に足し、貸方には評価差額金(純資産)を立てる。
借方科目 金額 貸方科目 金額
その他有価証券 6,000 その他有価証券評価差額金 6,000
決算整理を映した後のT/B
借方残高 勘定科目 貸方残高
206,000 その他有価証券
(その他有価証券評価差額金) 6,000
その他有価証券評価差額金の金額は、時価206,000から前T/B計上額200,000を差し引いた6,000(益)。
決算整理後のその他有価証券の額は、200,000に6,000を足した206,000 (=期末時価と一致)。
ここまでの整理 (教科書 p132 に対応)
1.その他有価証券は決算のたびに時価で評価し直す。
2.そこで生じる評価差額は「その他有価証券評価差額金」(純資産)として貸借対照表の純資産の部に直入する。
④ 実践チェック
実践チェック ─ 子会社株式とその他有価証券教科書 p128〜132
Q1. 子会社株式(帳簿2,000・時価2,150)の決算整理仕訳は?
仕訳なし
子会社株式150/有価証券評価益150
仕訳なし。 時価評価しないので、決算整理仕訳そのものがありません。
Q2. その他有価証券が値上がりした。P/Lにはどう影響する?
影響しない(収益を計上しない)
有価証券評価益として収益に計上する
影響しない。 B/Sの資産と純資産が同時に増えるだけです。
Q3. 評価差額を損益とせず、純資産を直接増減させる処理を何という?
全部純資産直入法
償却原価法
全部純資産直入法。 償却原価法 は満期保有目的の債券の処理です。
Q4. その他有価証券(帳簿200,000・時価206,000)のB/S計上額は?
206,000(時価)
200,000(取得原価)
206,000。 時価評価はする のがその他有価証券。差額の行き先が損益でないだけです。
すべて表示
リセット
時価評価するのに損益にしないもの
その他有価証券の評価差額は その他有価証券評価差額金 (純資産)。
損益にせず純資産を直接増減させる処理を 全部純資産直入法 という。
損益にしない理由は、すぐ売る予定のものではない から。
子会社株式は、時価が上がっても 仕訳なし 。
何を学ぶ? ① 時価に直した金額は、翌期どうなる?教科書 第3節・p133〜136
ゴール :売買目的
有価証券 の翌期処理を、洗替方式と切放方式で使い分けられること。
ここまでで、
売買目的有価証券 と
その他有価証券 は決算のたびに時価で評価し直すことを見てきました。ここからは、
その評価替えをした有価証券が翌期にどう扱われるか を確認します。
売買目的有価証券の翌期の処理は、
「洗替方式」 か
「切放方式」 のどちらかを選ぶことになります。
基礎チェック ─ この節のねらい教科書 p133
Q. 洗替方式とは、翌期首に何をする方法?
前期末に計上した評価差額を、期首の再振替仕訳で取り消す
前期末の時価をそのまま翌期の帳簿価額に持ち越す
評価差額を再振替で取り消す。 もう一方(時価をそのまま持ち越す)が切放方式 です。
洗替方式 :前期末に計上した評価差額を、翌期首の再振替仕訳で取り消す方法。
切放方式 :前期末の時価をそのまま翌期の帳簿価額として引き継ぐ方法。
② 図解 ─ 同じ取引でも、途中経過が違う
2つの方式は、どこが違ってどこが同じか (教科書 p134 に対応)
途中の道は違うが、行き着く先は同じ 取得 X1期末 X2期首 売却 200 240 300 帳簿価額 洗替:取得原価200に戻す 切放:240のまま 300で売却 X2年度の損益は、どちらの方式でも 60 洗替:戻し −40 + 売却益 100 = 60 切放:戻しなし + 売却益 60 = 60 ※ 違うのは「翌期首に戻すかどうか」だけ。期をまたいだ最終的な儲けは変わらない。
③ 整理 ─ 表でたしかめる
取得 200 → X1年度 末の時価 240 → X2年度 に 300 で売却、という同じ場面で並べます。
違いは「戻すか、戻さないか 」だけです。
売却益の金額は変わりますが、X2年度の損益の合計は どちらも 60 で一致します。
どちらを使っても、期をまたいだ最終的な儲けは同じ、ということです。
④ 仕訳 ─ 翌期首に戻すか、戻さないか
例題5-9(教科書 p135)
A社株式(売買目的有価証券・取得原価200円)の決算時点の時価が240円になった。①洗替方式のとき、②切放方式のとき、それぞれで必要となる仕訳を答えなさい。
表は左が借方、右が貸方。
① 洗替方式
借方科目 金額 貸方科目 金額
決算日 売買目的有価証券 40円 有価証券評価益 40円
翌期の初め 有価証券評価益(戻す) 40 売買目的有価証券 40
翌期首に再振替仕訳 を行い、帳簿価額を取得原価200に戻します。
② 切放方式
借方科目 金額 貸方科目 金額
決算時(切放) 売買目的有価証券 40円 有価証券評価益 40円
翌期の初め 仕 訳 な し
翌期首は何もしません。帳簿価額は時価240のまま です。
⑤ その他有価証券は洗替方式のみ
その他有価証券には洗替方式しか使えません 。切放方式という選択肢自体がない点に注意しましょう。
ひと言アドバイス その他有価証券は評価差額を損益にしていないから、いざ売却したときの損益は取得原価を基準にしないと計算が合わなくなる。時価を引き継ぐ切放方式だと、この基準がずれてしまうんだ。
例題5-10(教科書 p136)
A社株式(その他有価証券・取得原価200円)の決算時点の時価が240円になった。必要な仕訳を答えなさい。
借方科目 金額 貸方科目 金額
決算日 その他有価証券 40円 その他有価証券評価差額金 40円
翌期の初め(洗替) その他有価証券評価差額金(戻す) 40 その他有価証券 40
洗替方式のみなので、翌期首に必ず再振替仕訳を行います。
ここまでの整理 (教科書 p136 に対応)
1.その他有価証券の翌期の処理は洗替方式一択で、切放方式は選べない。
⑥ 実践チェック
実践チェック ─ 翌期の会計処理教科書 p133〜136
Q1. 切放方式の場合、翌期首の仕訳は?
仕訳なし
再振替仕訳
仕訳なし。 当期末の時価をそのまま翌期の帳簿価額とします。
Q2. その他有価証券に切放方式は使える?
使えない(洗替方式のみ)
使える(売買目的と同じ)
使えない。 売却損益を取得原価との差額 で算定する必要があるためです。
Q3. 洗替方式と切放方式で、翌期の損益の合計は違う?
同じになる
洗替方式のほうが大きくなる
同じ。 この節の例(取得200 → 期末240 → 売却300)なら、洗替は「△40+100」、切放は「0+60」で、どちらも60 です。
Q4. 洗替方式で再振替仕訳をした直後の帳簿価額は?
取得原価に戻る
前期末の時価のまま
取得原価。 だから売却損益も取得原価との差額で計算します。
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リセット
時価に直した金額は翌期どうなるか
前期末の評価差額を翌期首に取り消す方法が 洗替方式 。
前期末の時価をそのまま引き継ぐ方法が 切放方式 。
洗替で取り消す仕訳を 再振替仕訳 という。
どちらの方法でも、最後に売ったときの 損益の合計は同じ になる。
仕上げ 問題 ─ 1問1観点で答える
2択ではありません。頭の中で答えを出してから 「解説」を押してください。合っていれば「OK 」、まだあやふやなら「とじる 」を押してください。「とじる」を押した問題は畳まれず残ります。
① 有価証券とは・保有目的 教科書 第1節1・2(p94〜101)
Q1 4つの保有目的
有価証券 の
4つの保有目的 と、それぞれの定義を言える?
解説
OK(もう出さない) とじる OK
Q2 株式と公社債の違い
株式と公社債の実質的な意味と回収方法 の違いは?
株式=
出資 で返済されない(回収は売却のみ、収益は配当金)。公社債=
貸し付け で
満期日 に償還される(回収は売却または償還、収益は利息)。
解説
OK(もう出さない) とじる OK
Q3 子会社と関連会社
子会社株式と関連会社株式を分ける持株比率 は?
50%超 なら子会社株式(支配)、20%以上50%以下 なら関連会社株式(影響力の行使)。どちらも売却は想定していない。
解説
OK(もう出さない) とじる OK
Q4 表示科目
売買目的・満期保有・その他有価証券のB/Sの表示科目 は?
売買目的=有価証券 (流動資産)、満期保有目的とその他=投資有価証券 (固定資産)。子会社株式・関連会社株式はそのままの名称。
解説
OK(もう出さない) とじる OK
② 取得と売却 教科書 第1節3(p102〜107)
Q5 取得原価
有価証券の取得原価の式 と、手数料の扱いは?
取得原価 = 購入代価 + 付随費用 。購入時の手数料は付随費用として取得原価に含める (売却時の手数料は含めない)。
解説
OK(もう出さない) とじる OK
Q6 公社債の口数
額面300,000円の社債を1口96円で買った。購入代価 は?
1口当たりの額面は100円なので口数は3,000口 。3,000口×@96=288,000円 。「額面金額 ÷ @100 × @購入価格」で計算する。
解説
OK(もう出さない) とじる OK
Q7 平均原価法
20株@120と10株@180を取得した。平均単価と売却原価(5株) は?
平均単価=(2,400+1,800)÷30株=@140 。売却原価=5株×@140=700 。単価どうしを平均しない。
解説
OK(もう出さない) とじる OK
③ 配当金とクーポン利息 教科書 第1節4(p108〜110)
Q8 2つの収益の勘定
配当金=
受取配当金 、クーポン利息=
有価証券利息 (受取利息ではない)。配当金領収証も利払日の到来した利札も
通貨代用証券 なので、借方は
現金 。
解説
OK(もう出さない) とじる OK
Q9 クーポン利息の計算
額面120,000円・年利率5%・利払年2回。1回の利息 は?
120,000×5%×半年ぶん(6ヶ月÷12ヶ月)で3,000円 。利率をかける基準は常に額面金額 で、実際にいくらで取得したかは関係しない。
解説
OK(もう出さない) とじる OK
④ 端数利息 教科書 第1節5(p111〜117)
端数利息 とは何で、誰が誰に払う?
直前の利払日の翌日から売買日まで の利息。次の利払日に利息を全額受け取るのは購入者なので、購入者が売却者に支払う 。
解説
OK(もう出さない) とじる OK
Q11 売却側の仕訳
取得原価9,800の社債を9,900で売り、端数利息20とともに受け取った。仕訳 は?
(借)現金9,920/(貸)売買目的有価証券9,800・有価証券売却益100・有価証券利息 20。売却損益は裸相場 (端数利息を含まない9,900)で計算する。
解説
OK(もう出さない) とじる OK
Q12 購入側の仕訳
購入側が支払った端数利息20は、どの勘定でどう処理 する? 理由も。
「有価証券利息」(収益)のマイナス 。次の利払日に受け取る利息と相殺され、自分が保有した期間に対応する収益 だけが残るため。
解説
OK(もう出さない) とじる OK
Q13 日割計算
額面20,000円・年7.3%・7/1〜9/13。端数利息 は?
20,000×7.3%×75日 ÷365日 =300円 。日数は7月31日+8月31日+9月13日=75日。端数利息は日割計算が原則 。
解説
OK(もう出さない) とじる OK
⑤ 決算 ─ 売買目的 教科書 第2節1・2(p118〜123)
Q14 保有目的別の評価額
4つの保有目的の評価額と差額の処理 を言える?
売買目的=時価/
当期の損益 。満期保有=取得原価または
償却原価 /−。子会社・関連会社=取得原価/−。その他=時価/
純資産の部に直接計上 。
解説
OK(もう出さない) とじる OK
Q15 評価益と評価損
売買目的の
時価評価 差額の
勘定科目 と、複数銘柄のときの扱いは?
値上がり=有価証券評価益 (収益)、値下がり=有価証券評価損 (費用)。複数銘柄で益と損があるときは相殺して純額 を当期の損益とする。
解説
OK(もう出さない) とじる OK
⑥ 決算 ─ 満期保有目的 教科書 第2節3(p124〜127)
償却原価法 とは何をする処理で、なぜ時価評価と違う?
満期日を迎える頃に帳簿価額が額面金額と一致するよう、その差額を毎期少しずつ加算 していく処理。時価評価は「いま売ったらいくらか」を測る処理なので、そもそも目的が別物。
解説
OK(もう出さない) とじる OK
Q17 償却額と相手勘定
額面100,000・取得90,000・償還5年。毎期の償却額と相手勘定 は?
(100,000−90,000)÷5年=2,000 。相手勘定は有価証券利息 (収益)。クーポン利息と同じ勘定を使うことで、債券から生じた収益の総額が分かる。
解説
OK(もう出さない) とじる OK
⑦ 決算 ─ 子会社・その他 教科書 第2節4・5(p128〜132)
Q18 子会社株式の決算
子会社株式・関連会社株式の決算整理仕訳 は? 理由も。
仕訳なし 。売却を想定しておらず時価情報が不要なので時価評価しない。B/S計上額は取得原価のまま。
解説
OK(もう出さない) とじる OK
その他有価証券の評価差額をどう処理 し、その処理を何という?
損益とせず「その他有価証券評価差額金」(純資産) として純資産の部に直接計上する。これを全部純資産直入法 という。値下がりでも費用は計上しない。
解説
OK(もう出さない) とじる OK
⑧ 翌期の会計処理 教科書 第3節(p133〜136)
2つの方式の違い と、翌期の売却損益の基準は?
洗替=翌期首に再振替仕訳 を行い簿価を取得原価 に戻す(売却損益は取得原価との差額)。切放=翌期首は仕訳なし で時価のまま(売却損益は前期末時価 との差額)。どちらでも翌期の損益合計は同じ。
解説
OK(もう出さない) とじる OK
Q21 その他有価証券の翌期
その他有価証券に認められる方式は? 理由も。
洗替方式のみ 。時価評価差額を損益に計上しないため、売却損益は必ず取得原価との差額 で算定する必要があるから。
解説
OK(もう出さない) とじる OK